インデックス投資にキャッシュポジションって必要なの?
インデックス投資はフルインベストメントのほうがいいの?
この記事では、このような疑問にお答えします。
本記事のポイント
・インデックス投資でキャッシュポジションを持つべきか?
・キャッシュポジションを持つメリット、デメリット
・フルインベストメントするメリット、デメリット
インデックス投資はインデックスファンドを積み立て続けるというシンプルな投資方法であり、一見簡単に見えます。
その簡単さから、失敗することなどないと思われがちです。
しかし、実際には多くの失敗事例もあり、事前に対処方法を知らないと多大な損失を出すという結果になってしまいます。
この記事では、インデックス投資を失敗させないためのキャッシュポジションの重要性について解説していきます。
はじめまして!マンモスです。
投資歴15年、インデックス投資は現在8年間継続中です。
約2600万円を運用しています。
そんな私が、「インデックス投資を成功に導くキャッシュポジションの重要性」を解説します。
インデックス投資を成功に導くキャッシュポジションとは?
キャッシュポジションとは、投資に回せるお金のうち、投資していないお金のことです。
単純に貯金と捉えても問題ありません。
キャッシュポジションを多く持つということは、投資でのリスクが低下している状態です。
投資におけるリスクとは、価値がプラスにもマイナスにも変動することであり、リスクの低下は儲けも少ないし、損も少ないという状態にあります。
また、キャッシュポジションを持つことの反対に、「フルインベストメント」という状態があります。
フルインベストメントはキャッシュポジションをほぼ持たず、全力で投資をするスタイルです。
キャッシュポジションを持つべきか?、それともフルインベストメントするべきか?
この2点を意識することは、インデックス投資を成功に導くうえで非常に重要です。
インデックス投資ではキャッシュポジションを持つべきか?
「キャッシュポジションを持つべきか?」、「フルインベストメントするべきか?」という問題は、結論から言ってしまうと人によります。
なぜなら、人によってリスク許容度が違いますし、性格も違い投資を成功させるためのアプローチ方法が異なるからです。
まず前提として、インデックス投資において「キャッシュポジションを持つ」、「フルインベストメントする」、両者の目的は同じです。
それは「最終的」に利益を出すということです。
この「最終的」とは、インデックス投資の投資期間は10年以上に及ぶため、数十年先を想定する必要があります。
途中いくら元本割れしようが、最後に資産が増えてればいいってことだね。
ただ、最後に資産が増えている状態にするためのアプローチとして、「キャッシュポジションを持つべきか?」と「フルインベストメントするべきか?」は人によります。
「キャッシュポジションを持つ」
「フルインベストメントする」
どちらかを選ぶうえで重要なことは、自分にとってどちらを選択すればインデックス投資を可能な限り長く継続できるかを基準にすることです。
「可能な限り長く継続できる」をポイントに選ぶ理由は、インデックス投資において勝率を上げるためには投資期間が一番重要だからです。
以下の図をご覧ください。
保有期間における各資産の実質利回りのグラフです。
出典:ジェレミー・シーゲル著 株式投資
「ジェレミー・シーゲル著 株式投資」にも、記述があるように、株式を17年以上保有した場合、実質ベースでの損失がなくなります。
※あくまでも過去の出来事です。未来を保証するものではありません。
投資は自己責任でお願いします。
このことからわかるように、インデックス投資を成功に導くのは投資期間です。
上記のことから、
「キャッシュポジションを持つ」
「フルインベストメントする」
自分自身にとって、どちらを選べば投資期間がより長くなるのかを基準に選定しましょう。
次項以降では、それぞれのメリット、デメリットを解説しています。
選択の参考にしてください。
私はたまに、ファイナンシャルプランナー(FP)に資産運用のことで相談に行きます。
FPは投資のプロというわけではありませんが、家庭運営のプロです。
家庭のお金のリスク管理するプロですね。
この「キャッシュポジションを持つ」、「フルインベストメントする」はFPによっても意見が分かれるところですので、自分にとってどちらが合っているかで決めましょう。
キャッシュポジションを持つメリット
キャッシュポジションを持つメリットは以下の3点です。
②株価暴落時に買い増しできる。
③リスクコントロールしやすい。
メリット① 生活に影響がでにくい
フルインベストメント状態と違い、キャッシュポジションを持っておけば生活への影響は少ないです。
インデックス投資のような超長期の投資において、想定外の環境変化が起こることは珍しくないため、生活環境の変化に柔軟に対応できることは最大のメリットです。
フルインベストメントでも生活防衛資金を残して投資すればよいのですが、想定以上の環境変化に耐えられるという保証もなく、最悪のケースとしてインデックス投資の途中売却が考えられます。
インデックス投資を成功させるうえで「期間」が最も重要な要素であるため、生活防衛資金以上に余裕を持って投資したいのであれば、キャッシュポジションを持つことをおすすめします。
メリット② 株価下落時に買い増しできる
株価の暴落時に積極的な買い増しができることも、キャッシュポジションを持つメリットです。
バブル崩壊などの株価の大幅な下落局面で買い増しすることで、平均取得価格を下げることができフルインベストメントよりも最終損益が高くなる可能性があります。
また、株価下落局面においてドローダウンがフルインベストメントよりも少なく済みます。
かつ、損失が拡大するというより、買い増しチャンスとポジティブに捉えることができ、精神的に楽なこともメリットです。
初心者の投資家は過去の資産の最大値にとらわれがちなため、ドローダウンをチャンスと捉えることができれば超長期投資では成功しやすいでしょう。
メリット③ リスクコントロールしやすい
株価の上昇、下落に伴い利確、買い増しがしやすく、リスクコントロールしやすいです。
このことは、適度な利確と買増しを促し安定的な資産運用につながります。
また、急激な資産価値の上昇/下落は判断の迷いを生みやすく、投資で失敗する要素の一つです。
これを防ぐことができるのも、キャッシュポジションを持つメリットです。
キャッシュポジションを持つデメリット
キャッシュポジションを持つデメリットは以下の2点です。
②リバランスの判断が難しい
デメリット① 上昇トレンドでは機会損失が発生する
株価の上昇が続く場合、最適解はフルインベストメントです。
キャッシュポジションを持っているということは、それだけ資産増加のチャンスを逃し、機械損失が発生する状態です。
もし、仮に株価が上昇し続けるとしたら、キャッシュポジションを持つことはフルインベストメントに比べ大きく利回りが低下します。
デメリット② リバランスの判断が難しい
メリットで挙げた全項目については、資産のリバランスがうまくできた場合であることに注意しましょう。
明確なリバランス基準がない人や投資経験が浅い初心者には、キャッシュポジションのコントロールは少々難しいかもしれません。
※キャッシュポジションをうまくコントロールするコツは資産のリバランスです。詳細は下記の記事をご覧ください。
フルインベストメントするメリット
フルインベストメントのメリットは以下の3点です。
②投資戦略がシンプルでほったらかしでOK。
③取得価格が平均化しやすい。
メリット① 上昇トレンドのときに大きく資産価値が上昇する
フルインベストメントは生活防衛資金以外を全て投資に回します。
それ故に、株価の上昇トレンドのときには、凄まじい速さで資産が増えることがメリットです。
大きく資産を増やしたいのであれば、バブル崩壊時などに資金をいっきに投資してみてはいかがでしょうか?
メリット② 投資戦略がシンプルでほったらかしでOK
フルインベストメントは常に資金を投入し続ける状態にあります。
給料をもらったら生活費を除いてあとは投資に回します。
このことは、投機的な運用をしている人にとっては相当リスクが高いです。
しかし、インデックス投資においては違います。
インデックス投資の基本戦略は買い増しし続けるということであるため、フルインベストメントと相性がいいです。
このことは判断が機械的になり、無駄な失敗をしなくて済みます。
メリット③ 取得価格が平均化しやすい
フルインベストメントは買い増しし続けることになります。
これはドルコスト平均法に近い状態となり、取得価格の平均化につながります。
超長期で見た場合、株価の高値、安値を意識するのはあまり意味がないため、インデックス投資でフルインベストメントすることは合理的です。
フルインベストメントするデメリット
フルインベストメントのデメリットは以下の2点です。
②環境変化に対応しきれない
デメリット① 下降トレンドではあっという間に資産が減る
株価の下落局面はあっという間に資産が減ります。
ほんとにあっという間です。
私の場合、コロナ起因の株価大暴落のときに、含み益140万円程度あったものが、いっきに-200万円くらいまで元本割れしました。
このような資産の減少に精神的に耐えられないで損切りしてしまうと、その時点でインデックス投資は失敗です。
デメリット② 環境変化に対応しきれない
フルインベストメントでも最低限の生活防衛資金は持ちます。
しかし、この生活防衛資金で対処できないことが発生した場合、投資中の資金を取り崩す必要があります。
もし元本割れしていた場合、したくもないのに損切りしてしまうはめになるため注意が必要です。
どちらか一方にこだわる必要はない
ここまでのメリット、デメリットでも解説しましたが、どちらかが優れているということはありません。
どちらも弱点はあります。
「フルインベストメントする」
「キャッシュポジションをもつ」
どちらか一方の戦略をとってもいいのですが、通常はキャッシュポジションを持ちバブル崩壊局面でフルインベストメントする。
その後上昇トレンドがしばらく続いたら、またキャッシュポジションを持つ、というように臨機応変に対応するのがおすすめです。
上記のことは、私の基本戦略でもあります。
インデックス投資にリバランスとコアサテライト戦略を組み合わせることで、通常のインデックス投資以上の利回りを狙っています。
お好みでどうぞ!
まとめ
インデックス投資を成功に導くキャッシュポジションの重要性のまとめです。
・「キャッシュポジションを持つか」、「フルインベストメントするか」はより長期で投資できそうなほうを選択する。
・キャッシュポジションを持つメリットは「生活に影響がでにくい」、「積極的な買い増しができる」、「リスクコントロールしやすい」
・キャッシュポジションを持つデメリットは「上昇トレンドの機械損失」、「リバランスの判断が難しい」
・フルインベストメントのメリットは「上昇トレンドは有利」、「ほったらかしでOK」、「取得価格の平均化ができる」
・フルインベストメントのデメリットは「下降トレンドは不利」、「環境の変化に弱い」
基本的にどちらが優れるということはありません。
自身にどちらが合っているかを基準に決めましょう。
おすすめの本
積立投資における様々な資金投下パターンについて分析した本です。
キャッシュポジションをどの程度持つか、それともフルインベストメントするか参考になります。