システムトレードで勝てない・・・
なんで?
システムトレードでの勝ち方教えて!
この記事では、上記のような疑問にお答えします。
本記事のポイント
・システムトレードで勝つ方法
・システムトレードを利用した詐欺にも注意
・システムトレードの勝ち方【応用編】
・それでもシステムトレードで勝てないときの対処方法
システムトレードは、一見するとトータルでは絶対に勝てるように思えます。
しかし、現実はそうなりません。
「なぜシステムトレードで勝てないのか?」
この記事では、こんな疑問を解決するのに役立ちます。
はじめまして!マンモスです。
投資歴15年です。
以前は負け続けていましたが、システムトレードの考え方を習得したことで、大きく資産を増やすことができました。
※2021年4月に資産3000万円を達成しました。
そんな私が、「システムトレードで勝てない理由とは?5つの原因と解決方法を解説。」を解説します。
システムトレードで勝てない理由
システムトレードで勝てない理由は5つです。
②バックテスト不足
③過剰最適化になっている
④売買ルールの寿命
⑤売買ルールの無視
どれも、システムトレードの基本を理解していないことに起因します。
それぞれ詳しく解説していきます。
※システムトレードの基本は、こちらの記事で詳しく解説しています。
理由① 自動売買だけでは勝てない
システムトレード=ただの自動売買は誤解です。
近年では、システムトレード環境の発展により、「システムトレードはただの自動売買、売買ルールを選ぶだけで儲かる!」このように考えている人が増えました。
しかし、こういった考え方では、システムトレードで絶対に勝てません。
システムトレードとは、売買ルールの優位性を判断した後、その売買ルールで機械的にトレードすることです。
システムトレードで勝つために重要なことは、機械的にトレードすることでなく、売買ルールの優位性を判断することなのです。
自動売買はあくまでも、売買ルールを忠実に実行するための手段にすぎず、利益に直結しないことに注意が必要です。
※下記の記事で、投資全般で勝てない理由を解説しています。
もちろん、システムトレードにも通じることです。
理由② バックテスト不足
もし、「理由① 自動売買だけでは勝てない」を理解していて勝てないのであれば、バックテストへの理解が足りていない可能性があります。
バックテストを適当に済ませていませんか?
また、都合のいいデータのみを見ていませんか?
まずはしっかりバックテストできているか確認してみましょう。
※バックテストについては、下記の記事で徹底的に解説しています。
理由③ 過剰最適化になっている
システムトレーダーが陥りがちな失敗として、過剰最適化が挙げられます。
過剰最適化とは、バックテストのときに過去の価格データに売買ルールを合わせ過ぎてしまうことです。
例えば、基本の売買ルールの精度を上げるため、何重にも売買フィルターを加えたりすることです。
過剰最適化に陥った売買ルールの特徴は、複雑な売買ルールでバックテストにおいて絶大なパフォーマンスを発揮していることです。
しかし、リアルトレーディングになると、まったく儲からいという現象が発生します。
これがシステムトレードで勝てない理由の一つです。
※過剰最適化については、下記の記事をご覧ください。
理由④ 売買ルールの寿命
これまで解説してきたシステムトレードで勝てない要因をクリアしている場合でも、システムトレードで勝てないケースが発生します。
それは、売買ルールの寿命が訪れることに起因します。
売買ルールの寿命とは、これまで利益を出していた売買ルールが徐々に、もしくは突然全く儲からなくなることです。
これは市場の変化などによって発生するため、避けることができません。
そのため、以下の「方法④ システムストップロスを決めておく」で解説するシステムストップロスが重要になります。
理由⑤ 売買ルールの無視
全てにおいて完璧な売買ルールでも、利益を出せないケースがあります。
それは、売買ルールを自身で無視することです。
売買ルールの無視によりシステムトレードで勝てないのは当然です。
なぜなら、バックテストの際に、自身の売買ルールを無視するという行動がバックテストに反映されていないためです。
勝てる売買ルールを作ったにも関わらず、わざわざそれを破綻させているのだから、システムトレードで負けるのは必然です。
いくらシステムトレードであっても、その実、ON/OFFのスイッチは人間が管理しており、売買ルールの無視は簡単にできてしまいます。
このことを忘れてはいけません。
システムトレードで勝つ方法
システムトレードで勝つ方法は5つです。
②徹底的なバックテストをする
③フォワードテストをする
④システムストップロスを決めておく
⑤売買ルールを信じる
方法① 信頼できる売買ルールであること
売買ルールを選ぶ際、信頼できる売買ルールなのかしっかり考えましょう。
最近では、実に多くの売買ルールであふれており、どれも高いパフォーマンスを発揮してくれるように見えます。
しかし、実際にはそうならず、損ばかりする状況になりえます。
そのため、自分で信頼できるか判断する知識が必要になります。
その知識とはバックテストに関することです。
最低限のバックテストの知識があるだけでも、売買ルールが信頼できるかどうか判断できるようになります。
もし、何の知識もなく「自動売買で儲けられる」と誤解している人は、勉強することから始めましょう。
※以下にシステムトレードをこれから始めたい人のための本をまとめています。
方法② 徹底的なバックテストをする
システムトレードで一番大事なことです。
まず、バックテストの目的は「期待値がプラスの売買ルール」を見つけ出すことです。
つまり、繰り返し売買してもトータルで勝てる戦略を見つける、ということです。
もし、バックテストをしていなかったり、面倒だからと適当にしてしまうと、システムトレードをする意味がまったくありません。
システムトレードとは、感情を捨て去り、ただひたすら合理的な行動をすることに意味があるのです。
ですから、儲かりそうな売買ルールをただ選んだり、自身にとって都合のよい結果だけを真に受けてはいけません。
必ず、中立的な立場でシステマティックに行動する必要があります。
方法③ フォワードテストをする
ここからは、バックテストをしていてもシステムトレードで勝てない人向けの解説です。
しっかりバックテストしても勝てない人は、フォワードテストをしてみることをおすすめします。
フォワードテストとは、バックテストの一種なのですが、実売買を想定したシュミレーションのことです。
例えば、10年分のデータでバックテストする場合、最初の8年でバックテストした売買ルールを作り、残りの2年を実売買と想定してバックテストすることです。
こうすることで、疑似的に実売買の結果を想定できます。
もし、ここで劣悪な売買ルールであれば、フォワードテストで選別することができます。
※フォワードテストについては、以下の記事内で詳しく解説しています。
方法④ システムストップロスを決めておく
システムストップロスとは、売買ルール自体の損切りのことです。
トレード中にいくらになったら損切りする、というのは一般的ですが、その損切りを売買ルール自体に設定します。
例
一般的損切り → 株価が5000円未満になったら損切りする。
システムストップロス → 売買ルールの最大ドローダウンがバックテスト時の3倍になった売買ルールの使用を中止する。
こんな感じです。
システムストップロスを設けることで、寿命がきた売買ルールの判断をすることができます。
方法⑤ 売買ルールを信じる
もし、バックテスト結果に満足しており、徹底的にバックテストもしたのであれば、売買ルールの忠実なる奴隷となりましょう。
けっして、売買ルールを破ってはいけません。
なぜなら、売買ルールのバックテスト過程で様々な負けのデータを取りこんだ結果がバックテストに表れているため、意図的な売買ルール無視はそのバックテスト結果より悪い結果になるからです。
仮に、売買ルールを無視し、自身の判断で利益を増やせるような人、すなわち裁量トレードで利益を出せる人であれば、そもそもシステムトレードは必要ありません。
裁量トレードで利益を出せないからこそのシステムトレードだからです。
もし、売買ルールを無視したい欲求に駆られたら、自身が裁量トレードで利益を出せる人間なのか思い出してみましょう。
それが売買ルールを無視するかどうかの答えです。
システムトレードを利用した詐欺にも注意
システムトレードは詐欺にも利用されることがあります。
ここでは、その注意点にを解説しています。
詐欺にあっている可能性もある
システムトレードに使用する売買ルールの販売は、専用の通販サイトや個人間の
取引など、様々な方法があります。
これらは全て詐欺というわけではありませんが、中には詐欺的なモノがあるのも事実です。
そういったものに引っかからないために、以下の点に注意しましょう。
・自身でバックテストしていない売買ルールは基本的に信用しない。
・バックテスト後の実売買のデータが公表されていないものは信用しない。
→実売買の結果が公表されており、その結果がバックテストより悪化している場合についてもよく確認しましょう。
実売買の結果は、通常、バックテスト結果より多少悪化することが普通です。
しかし、極端に悪化している場合、「理由③ 過剰最適化になっている」で解説した過剰最適化になっている場合があります。
メタトレーダーのEAを「絶対に儲かる」なんて言われて何十万円も出して買った結果、まったく儲からない、なんてのはよく聞く話です。
注意しましょう。
圧倒的なパフォーマンスの売買ルールは簡単に作れる
バックテストの仕方さえ知っていれば、過去の価格データで絶大なパフォーマンスを出す売買ルールは簡単に作れます。
というか、システムトレード、バックテストのやり方なんて知らなくても、過去のチャートを眺めて、「こうすれば儲かっていた」くらいのことはだれでもできます。
しかし、これは過剰最適化であり、将来の結果は限りなく悪いものになります。
ですので、「勝率90%、月利10%の売買ルールです」みたいなことを言われても信じてはいけません。
投資の神、ウォーレン・バフェットですら年利20%程度だそうです。
また、プロのファンドマネージャーでさえ、インデックス投資には勝てないことがデータにより証明されています。
極端な高利回りは、ほぼ詐欺と思っていたほうが無難です。
システムトレードの勝ち方【応用編】
ここからの解説は、システムトレード応用編です。
勝てる売買ルールを構築したうえで、さらに負けにくくすることを目的としています。
相関関係を意識したシステム運用
投資において、相関関係を意識したポートフォリオは、リスクを低減できることが実証されています。
有名なのは、株と逆相関の債券を組み合わせるポートフォリオなどですね。
これをシステムトレードに応用することで、ポートフォリオ全体のリスクを低減させます。
具体的には、売買ルール同士の相関を意識しましょう。
※以下の図にあるように、投資の名著「ウォール街のランダムウォーカー」の中で、完全な正の相関でない限り、分散することでリスク低減に役立つ可能性があることが示唆されています。
相関を意識したシステムトレード運用の例は、以下のとおりです。
・売買ルールAに対して、逆相関になるような売買ルールBを同時に運用することで、ポートフォリオ全体のリスクを下げることができる。
こんな感じで、複数の売買ルールを同時運用して一つのシステムとして運用するのもおすすめです。
言うのは簡単ですが、やると結構難しいです。
1つの売買ルールを作るのも手間なのに、売買ルールの同時運用をして相性も調べなければいけないので・・・・
出典:ウォール街のランダムウォーカー
マネーマネジメントをシステムに組み込む
こちらも相関をシステムに組み込むのと同様に結構大変です。
ですが、マネーマネジメントを組み込むことで、適切なポジションや任意のリスクから最大の利益を得る、みたいなことが理論上できるようになります。
システムトレーダーはみんな「理論上の最適解」みたいなことが好きなのではないでしょうか?
システムトレードはいろいろな理論を加えて、「俺だけの最強のシステム運用」みたいなことができるというロマンがあります。
※システムトレードをこれから始めたい人におすすめの本11選でシステムトレーダー向けのマネーマネジメントに関する本を紹介しています。
良ければ、参考してください。
それでもシステムトレードで勝てないときの対処方法
もし、この記事で解説している方法を試して、それでもシステムトレードで勝てない人におすすめの方法があります。
それは「インデックス投資」です。
システムトレードで勝てない人にはインデックス投資がおすすめ
はっきり言って、システムトレードで勝つことは大変です。
システムトレードを自作している人は、
・プログラミング自体が手間
・デバックにイライラする
・バグで計算結果が狂ってた
などの理由からです。
システムトレードツールを使っている人も、
・バックテストに手間がかかり過ぎる
・いくらバックテストしても、良い結果の売買ルールが完成しない
・システムトレードツールの価格が高い
などで苦労されていると思います。
ここまでの労力をかけても勝てないのは悲しくなりますよね・・・・
私自身もそうだったので、よく分かります。
そこで、おすすめなのが「インデックス投資」です。
インデックス投資のメリットをシステムトレード風に解説すると、
→バックテストによって優位性のある売買ルールであると検証されている。
・プログラミングせずとも、積み立て設定という名の「自動買い」ができる。
→機械的にトレードすることが可能。
優位性のある売買ルールを機械的に取引できるので、これはもう実質システムトレードです・・・
また、デメリットとして、
・数十年単位の超長期保有が前提
こんな感じです。
もっと詳しい内容は、下記の記事をご覧ください。
私がインデックス投資をおすすめする理由
私がインデックス投資をおすすめするのは、私のシステムトレーダーとしての経験からです。
その経験ですが、以下のようなものです。
・有名な売買ルールでも、バイアンドホールドに勝てないことが多い
・長期保有ほどバックテスト結果がいい
・納得のいく売買ルールが作れなかった
・短期売買ほど勝ちにくい
・売買ルールと比較して、ETFを放置しているほうが儲かっていた
上記のような経験から、
①短期売買は勝てない
②投機的な売買ルールの有効性に疑問
③長期保有なら、特定の株よりETFのほうがいい
このように考えました。
その後、投資の名著「ウォール街のランダムウォーカー」を読んで、上記のことが確信に変わり、インデックス投資をするようになりました。
ですので、システムトレードで勝てない、という人はインデックス投資をしてみてはいかがでしょうか?
様々なバックテストをしているシステムトレーダーほど、インデックス投資の有効性は理解できると思います。
まとめ
「システムトレードで勝てない理由とは?5つの原因と解決方法を解説。」のまとめです。
理由① 自動売買だけでは勝てない
理由② バックテスト不足
理由③ 過剰最適化になっている
理由④ 売買ルールの寿命
理由⑤ 売買ルールの無視
・システムトレードで勝つ方法
方法① 信頼できる売買ルールであること
方法② 徹底的なバックテストをする
方法③ フォワードテストをする
方法④ システムストップロスを決めておく
方法⑤ 売買ルールを信じる
・システムトレードを利用した詐欺にも注意
・相関関係やマネーマネジメントを意識することで、ポートフォリオ全体のパフォーマンスが向上
・システムトレードでどうしても勝てない人は、インデックス投資がおすすめ