
システムトレードって何?

システムトレードって、どんなメリットがあるの?
この記事では、上記のような疑問にお答えします。
本記事のポイント
・システムトレードのメリット・デメリット
・システムトレードの注意点
・裁量トレードとどちらがいいのか?
・システムトレードのやり方
・システムトレードをおすすめする一番の理由
株やFXのトレードでは、ほとんどの個人投資家は負けている、と言われます。
しかし、負けている側の個人投資家でも、システムトレードをすることで、損益を大きく改善できる可能性があります。
※実際にシステムトレードしなくても、その考え方は大いに参考になります。
この記事では、システムトレードとは?という疑問から、メリット・デメリットなどを解説しています。
負けている個人投資家が少しでも勝てるようになれば、と思い執筆しました。
もし、現在トレードで負けている人は参考にして頂けたら、と思います。

はじめまして!マンモスです。
投資歴15年です。
以前は負け続けていましたが、システムトレードの考え方を習得したことで、大きく資産を増やすことができました。
※2021年4月に資産3000万円を達成しました。
そんな私が、「システムトレードとは?【機械的な取引で利益アップ!】」を解説します。
システムトレードとは?
システムトレードとは、トレード前に売買ルールのシュミレーションを実施し、儲かると判断できた売買ルールだけ、機械的にトレードすることです。
「機会的に」とは、売買ルールを順守すれば、自身が通常注文で取引しても、自動売買ツールや自動売買サービスを使って取引しても、どちらでも問題ありません。
※システムトレードは、必ずしも自動売買ツールを使った、完全自動にする必要はありません。
システムトレードの大きな特徴は2つです。
②売買ルールの自動化。
それぞれ詳しく解説します。
特徴① 売買ルールの優位性を判断する
実際に取引を始める前に、売買ルールを過去の価格データでシュミレーションすることで、「儲かるのか?」という一番の問題を判断します。
これをバックテストと呼びます。
バックテストはシステムトレードで儲けるための要であり、売買ルールの特性を判断することができます。
特性の例
・最適な損切りライン
・勝率
・ドローダウンなどのリスクに関する尺度
特徴② 売買ルールの自動化
システムトレードの特徴として、売買ルールの自動化が挙げられます。
売買ルールの自動化は、ツールやサービスを使うことで可能になります。
売買ルールの設定さえしておけば、あとは勝手にトレードしてくれるため、便利です。
また、システムトレードという名前から誤解しがちですが、なにもフルオート化せず、通常注文でトレードしても、広義の意味ではシステムトレードになります。
その場合、売買ルールに完全に従うように通常注文を出す必要があります。
ツールを使わず、フルオートになっていないという意味では、手間がかかります。
しかし、システムトレードに用いられる売買ルールは、曖昧さがなく明確なため、通常注文でも完全に機械的にトレードすることが可能です。
システムトレードのメリット
システムトレードのメリットは以下の3点です。
②チャンスを見逃さない。
③感情に起因した失敗をしにくい。
システムトレードは、基本的には裁量トレードで勝てない人ほどおすすめです。
これは、儲けられるから、というより、負ける人の思考、売買ルールを排除することができ、負けにくくなるからです。
メリット① 儲からない手法を排除できる
我々個人投資家は、様々な情報源からトレード手法を知ることができます。
例えば、ブログ、本、YouTubeなどです。
しかし、これらの大多数は、どの株、どのタイミングでいくら儲かった、というある一時点のパフォーマンスでしか語られません。
つまり、本当にその手法で儲けられるのか?、という信頼性が全くありません。
このことは、どんなに有名なインフルエンサー、投資家が語っていることでも、です。
システムトレードでは、こういった儲けられるのか未知な手法を徹底的にシュミレーション(バックテスト)することで、可能な限りその手法のパフォーマンスを明らかにすることができます。
その内容も、抽象的に儲かる、儲からないという内容でなく、平均損益、ドローダウン、勝率など、全て数値データとして明らかにします。
こうすることで、特定のトレード手法は儲かるかどうかを判断したうえでトレードすることで、なんの根拠もないトレード手法より、利益を上げることが可能になります。
メリット② チャンスを見逃さない
システムトレードでは、売買ルールを自動化し、さらにやり方によっては、銘柄監視さえも自動化できます。
監視銘柄が売買ルールに基づいて、エントリーシグナル、イグジットシグナルを出したタイミングで、自動で売買するように設定しておけば、自分は何もせずとも機会的に取引してくれる、というのがシステムトレードのメリットになります。
忙しい社会人にとっては、チャンスを逃すことなくモノにできるというわけです。
メリット③ 感情に起因した失敗をしにくい
システムトレードの性質上、売買ルールが機械化されているために、感情的になることが少なくなります。
このことは、常に判断を求められる裁量トレードと違い、安定したメンタルでトレードすることにつながります。
誰でも感情を制御できず失敗してしまった、という経験があると思いますが、そういった失敗を抑制できるわけです。
また、感情起因の失敗を少なくできるということは、損をしたときの本質的な原因の調査がしやすくなる、ということでもあります。
失敗の原因が分かり易ければ、プランをたて、実行し、チェックし、改善するというPDCAサイクルが回しやすくなります。
システムトレードのデメリット
システムトレードのデメリットは以下の3点です。
②システムトレードは確実に儲かるわけではない。
③売買ルールには寿命がある。
ここまでの解説で、システムトレードはなんだか良いこと尽くしのように感じたかもしれません。
しかし、相応のデメリットもあります。
それぞれ詳しく解説していきます。
デメリット① それなりに手間がかかる
システムトレードを単なる自動売買と捉えた場合、証券会社、FX業者の提供するツールやサービスを使えば簡単にできます。
しかし、自動売買だけで儲けることはできません。
システムトレードはあくまでも、売買ルールの優位性を検証したうえで、機械的にトレードするから利益が出ることを忘れてはいけません。
システムトレードで利益をだしたければ、売買ルールの検証作業(バックテスト)を徹底的にしなければいけないのです。
このバックテストには、かなりの手間がかかります。
なぜなら、様々なリスクを想定し、膨大な量のシュミレーションを行うからです。
デメリット② システムトレードは確実に儲かるわけではない
バックテストして優位性がある売買ルールを作れば、確実に勝つことができるように思えます。
しかし、そうはなりませせん。
これは、あくまでも過去のデータでシュミレーションした結果と、未来の価格変動が完全には一致しないためです。
また、システムトレード特有の問題として、過剰最適化というものがあります。
過剰最適化とは、過去の価格データに売買ルールを合わせ過ぎることです。
これは、過去の価格データに売買ルールを合わせこむことで、過去のデータにおいては絶大なパフォーマンスを出す売買ルールを作れますが、実売買でまったく利益がでない、という問題です。
上記のような問題もあり、システムトレードとて万能ではないのです。
※過剰最適化(カーブフィッティング)について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
デメリット③ 売買ルールには寿命がある
どんな優れた売買ルールも永久に使えるわけではありません。
市場の変化などにより、売買ルールがまったく使えなくなることもあります。
これもシステムトレードのデメリットです。
ただ、バックテストした段階で、平均損失やドローダウン、勝率、連続負け回数などリスクの指標を算出することで、システムストップロスという売買ルール自体の損切りルールも決定できます。
例えば、バックテストでの平均損失は-10%だが、実売買での平均損失が-20%になった時点で、その売買ルールの寿命が来たと判断して、その売買ルールの使用を停止する、こんな感じです。
売買ルールに寿命があることはデメリットですが、システムトレードであれば、それ自体をシステマティックに判断することができます。
システムトレードの注意点
システムトレードの注意点は2つです。
②柔軟性がない。
自動売買だけでは意味がない
システムトレードを単なる自動売買と捉える人がいますが、これは全くの誤解です。
これでは利益を出せません。

自動売買サービスを使って、何もせずに利益が出せる、なんてのは幻想です。
システムトレードで利益を出す要はバックテストです。
バックテストせず、自動売買をしても決して利益を出すことはできません。
バックテストしないということは、システムトレードのメリットを自ら放棄していると言っても過言ではないのです。
ただ、バックテストは面倒で単調な作業です。
バックテストをさぼって、すぐにでも自動売買したい、という気持ちも分かります。
しかし、忘れないでいただきたいことが2つあります。
第一に、私を含む大多数の個人投資家は株やFXで、簡単に勝つことはできないという事実です。
ブログ、本、YouTubeなどで知った手法を使ったところで、継続的に利益は出すことはできません。
第二に、やみくもにトレードしたところで、利益は出ないという事実です。
トレードは楽しいものですが、無計画なトレードは、むしろ損失の機会を増やしているに過ぎないのです。
このような事実があるからこそ、面倒で退屈でもバックテストをする必要性があるのです。
バックテストして合理的に勝ちに行くか、感情のままトレードし負けるかは、よく考えるべきです。
柔軟性がない
システムトレードは機械的がゆえに、柔軟性がまったくありません。
「今、この状態で買うの?」という状態でも、機械的に取引する必要があります。
ここで、「じゃあ、今だけは売買ルールを無視しよう」と思うかもしれません。
しかし、このような売買ルールからの逸脱は、自身がせっかく検証した内容を無視しているに過ぎず、利益になるかは分かりません。
バックテスト結果を信じて、売買ルールに従うほうが無難です。
裁量トレードとシステムトレードどちらがいいのか?
裁量トレードとシステムトレード、結局どちらがいいのか?という疑問に対する私の答えですが、裁量トレードで儲けられる人は無理にシステムトレードに移行する必要はありません。
しかし、裁量トレードで儲けられない人にはシステムトレードがおすすめです。

もし、柔軟に判断して、利益が出せるタイプの人であればシステムトレードをする必要はありません。
裁量トレードで利益を出せないからこそのシステムトレードだからです。
システムトレードとは、裁量トレードで利益を出せる有能な人のためにあるのでなく、負けている大多数の人にこそ相応しいのです。
システムトレードのやり方
システムトレードのやり方は、株、FX、仮想通貨で若干違ってきます。
※以下の記事では、これからシステムトレードを始めたい人向けに、システムトレード関連のおすすめ本を紹介しています。
株のシステムトレードのやり方
残念ながら株のシステムトレード環境はそれほど整っていないのが現状です。
実際にやるとなると、プログラミングして自作するか、高コストのシステムトレードツールを使用することになります。
低コストでシステムトレードしたい場合、プログラミングを覚える必要があります。
ただ、プログラミングについては基礎知識程度があれば、システムトレード環境の構築ができます。
プログラミングが難しい、という人はシステムトレードツールを使う必要があります。
自動売買に特化したツール、バックテストに特化したツール、自動売買、バックテストどちらもできるツールなど様々な種類があります。
しかし、月額1万~とやや高めのコストがかかります。

高コストだけど、高コストなりの機能があるため、毎月1万円以上負けている人は、使ってみてもいいかも。
※自動売買に特化した「オートレ株式」については、こちらの記事で解説しています。
※バックテスト特化ツールの「イザナミ」については、こちらの記事で解説しています。
あなたの売買ルール、バックテストで検証してますか?
『株式投資ソフト イザナミ』♪無料ダウンロード♪
※バックテスト、自動売買できるツール「iTRADE」については、こちらの記事で解説しています。
【株式投資】iTRADE無料体験はこちらより。
FXのシステムトレードのやり方
一番システムトレード環境が整っているのはFXです。
FXの場合、FX業者がシステムトレードサービスを展開していることも多く、無料でシステムトレード環境を使うことができます。
また、メタトレーダーという有名な高機能アプリも無料で使うことができます。
メタトレーダーとFXのアカウントを連動させることで、自動売買も可能です。
メタトレーダーには専用のプログラミング言語「MQL4」も搭載されており、バックテストやメタトレーダーの機能の拡張ができます。

MQL4はシステムトレードに特化したプログラミング言語のため、他の言語でシステムトレードするより楽です。
上記のこともあり、FXでシステムトレードしたいなら、その手段は選びたい放題です。

一番簡単なのは、システムトレード機能をうりにしている業者でFXすることです。
仮想通貨のシステムトレードのやり方
仮想通貨でシステムトレードしたい場合、仮想通貨業者がAPIを公開しているため、プログラミングしてシステムトレードする方法があります。
※APIとは、プログラミングを通して、仮想通貨業者から情報(口座残高、仮想通貨の価格情報など)取得したり、注文を出したりする仕組みです。
また、仮想通貨自動売買プラットフォームによるシステムトレードも可能になっています。
仮想通貨も株同様、FXほどにはシステムトレード環境が整っていません。
プログラミングできれば特に問題ないのですが、それ以外だとまだまだ選択肢がないのが現状です。
システムトレードをおすすめする一番の理由
私がシステムトレードをおすすめする一番の理由は、投資に対する考え方を変えるきっかけになる、ということです。
このように考えるに至った理由は、私自身の経験によります。
かつて、私は多くの個人投資家がそうであるように、本などで習得した手法でトレードしたり、オリジナルの手法を試したりしていました。
しかし、トータルで勝つ、ということができませんでした。
信頼できる本に書いているような手法でも、勝てないことに疑問を感じながらも、ひたすらに勉強してトレードを繰り返しました。
そんな中、出会ったのがシステムトレードでした。
システムトレードの手法を理解し、これまで試した手法をバックテストしてみた結果、どれもほとんど利益がでないか、バイアンドホールドの戦略にすら勝てないことが分かりました。
それまでは、インフルエンサーが使う手法や、本に載っている手法であれば、儲けられると思っていたため、この結果には衝撃を受けました。
それ以降、どんなに儲かりそうな手法でも、盲目的に信じず、かならず検証作業をするようにしています。
上記のように、システムトレードを通して、合理的な思考を獲得し、どんなに利益になりそうな情報でも慎重に判断する習慣が身に付きました。
結果的に、売買の頻度は激減し、無駄なトレードを一切しなくなり、30代半ばで3000万円を超える資産を築くことができました。

投資の名著「ウォール街のランダムウォーカー」で以下のことが語られています。
・大多数の投資家は自信過剰。
・売買頻度が高いほど、パフォーマンスが低い。
システムトレードすることで、こういった部分の改善もできます。
負けている投資家は「ウォール街のランダムウォーカー」を読んでみることをおすすめします。
以上のことは、私の実体験になりますが、かつての私と同じように、トレードで勝てないと悩んでいる人は、一度システムトレードを本格的にやってみることをおすすめします。
仮にシステムトレード自体で儲けることはできなくても、徹底的に検証して機械的にトレードする、というシステムトレードの考え方は、その後の投資に役立つはずです。
※トレードで負けてい人はぜひこちらの記事もお読みください。
※下記の記事では、システムトレードを通して学んだ株で勝つための方法を解説しています。
まとめ
「システムトレードとは?【機械的な取引で利益アップ!】」のまとめです。
・儲からない手法を排除できる
・チャンスを見逃さない
・感情に起因した失敗をしにくい
デメリット
・それなりに手間がかかる
・システムトレードは確実に儲かるわけではない
・売買ルールには寿命がある
・なぜなら、負ける思考そのものを変えることができるから。
→感情に依存しない合理的な判断ができるようになる。