
インデックス投資って儲からないの?

インデックス投資より儲かる方法はあるの?
この記事では、上記のような疑問にお答えします。
本記事のポイント
・インデックス投資は他の投資と比べて儲からないのか?
・結論 インデックス投資はもっとも現実的に儲かる投資手法
「インデックス投資は儲からない」と言われることがあります。
このことは半分本当であり、半分は誤解です。
この記事では、「実際のところどうなのか?」という、みなさんが気になっている部分を解説します。

はじめまして!マンモスです。
投資歴15年、インデックス投資は現在8年間継続中です。
2021年4月に資産3000万円を達成しました。
実際に何年もインデックス投資している私が、
「インデックス投資は儲からない手法なのか?【現実を受け入れよう】」を解説します。
インデックス投資は儲からない手法なのか?
インデックス投資は短期的にはほどんど儲かりません。
しかし、長期でみた場合には大きな利益を上げることが可能です。
理由として、インデックス投資の利回りは年利5~8%程度になり、長期投資においては複利効果により利益が増えるからです。
インデックス投資の利回りは年利5~8%くらい
インデックス投資の利回りは年利5~8%程度です。
これは、毎年確実にこの範囲になるというわけでなく、長期の平均でだいたいこの範囲に収まるということです。
以下の図は、S&P500の各年のリターン分布を表したものです。
出典:Advisor CHANNEL 「The Pyramid of Equity Returns: Almost 200 Years of U.S. Stock Performance」
見ての通り、毎年のリターンはばらつきます。
常にプラスリターンになるわけではありませんが、平均するとプラスリターンになる、というのはなんとなくご理解いただけると思います。
※もっと詳しいインデックス投資の利回りについては、下記の記事で解説しています
短期的には儲からないという事実
上述した年利5~8%程度の利回りのため、短期的には全く儲かりません。
100万円の投資をしても、毎年せいぜい5~8万円程度です。
多くの人は短期的にもっと利益が欲しい、と思うものです。
しかし、実際のところ短期ではまったく儲からないというのが実情です。

数十万円の元手で、数年後には数千万円になっている、億り人になっているなんてことは、インデックス投資の歴史を見ても、あり得ないよ・・・

短期で儲けるには、レバレッジのきいた取引をするか、ボラティリティ(価格変動の激しさ)が大きい銘柄で勝ちまくるしかないよ。
長期的なら大きな利益を得ることも可能
インデックス投資で短期的に大きな利益を得ることはできませんが、長期になると話は違ってきます。
長期的に積み立て投資をすることで、長期になればなるほど複利効果により利益が大きくなります。
長期投資であれば、毎年の積み立て額、投資期間にもよりますが、資産3000万円~1億円は狙えます。
※下記の図は、5000万円を30年かけて作る例です。
毎月5万円を積み立て投資し、年利6%で達成できてしまいます。

5000万円も30年で作れます。
これが受け入れられるかどうかで、インデックス投資の有用性が変わります。

毎月の投資額、投資年数次第でも最終的な資産は変わります。
気になるかたは、下記のグラフのリンクよりシュミレーションしてみよう!
出所:楽天証券積立かんたんシミュレーション

私自身、15年かけて資産3000万円を達成しました。
上記のことは机上の空論などではありません。
インデックス投資は他の投資と比べて儲からないのか?
インデックス投資は他の投資に比べて儲かりません。

仮想通貨で億り人になった、株が1年で倍になった、なんてのと比べると、インデックス投資は儲かりません。
しかし、このことはある事実をまったく考慮していない場合に限ります。
それは「勝率」です。
勝率は実現の可能性と言い換えてもいいです。
上記のことを、詳しく解説していきます。
他の手法と比べるとリターンは低め
SNSなどで、「仮想通貨で億り人になった!」、「FXで数十万を短期間で数千万にした!」というようなことを目にしたことがある人もいるでしょう。
インデックス投資については、絶対にこのようなことはありえません。
それは歴史が証明しています。
※インデックス投資の年利は5~8%程度のため。
仮想通貨やFXのようなリスクを取った投機に比べると、インデックス投資はどうしても「利回り」は低めになります。
勝率を加味するとインデックス投資は圧倒的に優秀

勝てることを前提とした場合なら、他の投資手法のほうが利回りは高くなります。
しかし、これらの投資手法に勝率(実現の可能性)を加味すると、インデックス投資のほうが圧倒的に優秀です。
以下のグラフをご覧ください。
このグラフは、S&P500を5年間保有した場合、ほぼほぼ勝てることを表しています。
出典:チャールズ・エリス著 敗者のゲーム
また、「ジェレミー・シーゲル著 株式投資」によると株式を17年以上保有した場合、実質ベースでの損失がなくなると記載があります。(下図参照)
出典:ジェレミー・シーゲル著 株式投資
これらのことは、他の情報ソースでも似たような結果になっており、信頼できる情報です。

というか、株価指数のデータから簡単に計算できるため、気になる人は、自分でバックテストしてみましょう。
上記のこと以外にも、「インデックス投資は15年以上保有すれば負けない」と言われることがあります。
計算に使用した指数にもよりますが、だいたい15年前後の年数で、歴史上負け無しとなるのです。
対して、他の投資(投機)手法はどうでしょう?
明確な勝率などは手法によって異なるため、確かなことは言えませんが、「個人投資家は8割負けている」、「個人投資家は数年以内に市場から敗退する」なんてことが言われます。

私自身15年の投資経歴のうち、インデックス投資をやっていない最初の7年は負け続けています。
※私の詳しい投資経歴は以下のプロフィールよりご覧いただけます。
また、個人投資家に限らず、プロでさえもインデックス投資には勝てません。
このこともデータが証明しています。
以下の表はベンチマークを下回る米国株式ファンドの割合です。
全体を見ても、7、8割くらいは負けていることが分かります。
出典:Risk-Adjusted SPIVA Scorecard Year-End 2020 (PDFリンク)
上記のことから、勝率や実現の可能性を加味すると、インデックス投資はとても優秀です。
実現可能な利益を直視せよ!
短期間で莫大な利益を得る個人投資家も中にはいます
しかし、これらの投資家は生存者バイアスにより目立っているだけです。
多くの人は負けていると認識すべきです。
また、自身がそのような短期間で莫大利益を得ている側になることも、限りなく低いと見ておくほうがいいでしょう。
やはり、多くの人にとってもっとも現実的に利益を出す手段は「インデックス投資」なのです。

私自身も初心者のころは短期で莫大な利益を上げたいと思っていました。
しかし、今はもうあきらめています。
7年も負け続けましたからね・・・・
投資以外のことなら、大きく夢を持ってもいいでしょうが、投資に限定すればリアリストになるべきです。
他のことであれば、時間を無駄にする程度ですが、投資はお金が無くなります。
結論 インデックス投資はもっとも現実的に儲かる投資手法
当記事の結論として、「インデックス投資」はもっとも現実的に儲かる投資手法だと言えます。
これまで解説していきたことに加え、元システムトレーダーとしての私の見解も加えまとめたいと思います。
理由① 豊富な研究データ
インデックス投資には歴史があります。
それゆえに、リスク、リターンを示す具体的なデータや、何年で損をしなくなる、などといったデータもあります。
出口戦略の「4%ルール」などもあり、はじめ方~終わり方まで誰でも簡単に情報を得ることができます。
このように、インデックス投資は具体的に数字としてデータが示されているため、初心者でも結果をイメージしやすく失敗しにくい投資と言えます。
理由② 投資戦略の再現性の高さ
インデックス投資のやり方はシンプルです。
・損切りはしない。
つきつめると、これだけです。
それゆえに、誰がやっても同じような結果になります。
また、例えば毎年の高値で買増してしまった、などという運の悪いケースでさえ、何十年も投資していればもはや誤差でしかありません。
このように再現性の高い投資手法かつ年利5~8%程度である、という理由から他の複雑な投資手法に比べて、インデックス投資は儲けやすい投資手法と言えます。
理由③ インデックス投資以外にバックテストされた投資手法はあるのか?
インデックス投資は情報が豊富であること、手法の再現性が高いことを解説しました。
では、他の投資(投機)手法はどうでしょう?

本やブログ、YouTubeなんかでいろんな投資手法を勉強できるよね?
同じようにやるのなんて簡単じゃん。

本当にそうでしょうか?
情報の発信者の手法を完全にトレースできますか?
また、バックテストのデータは公開されてますか?
本やブログ、YouTubeで公開されているインデックス投資以外の手法は、下記のいずれかが欠けています。
・銘柄選別の方法
・売買時期
例として、「ゴールデンクロスで買い、デッドクロスで売る」というシンプルな売買戦略で説明します。
※本などでも、よく解説されている手法です。
この売買戦略は、「短期移動平均が長期移動平均を上抜けしたら買い、売りはその逆」というシンプルな売買ルールです。

簡単だし、誰でもできるね!
まず第一の問題点として、バックテストデータが分からないため、どの程度損してどの程度儲かるのか、まったく分かりません。
※このことは信頼できる情報ソース(例えば大手出版社)のものであっても同じです。
一見、情報ソースの信頼性があるため、儲かりそうな気はしますが、まったくそんなことはありません。
次の問題点として、どの銘柄に適用したらいいのか?ということです。
銘柄の違いにより、値動きの特性はまったく異なり、同じ売買ルールを適用していいのか?というのが問題の一つです。
このことは時期についても同じことが言えます。
このように、「ゴールデンクロスで買い、デッドクロスで売る」という有名な売買ルールでさえ、問題だらけでいくらのリスク、リターンがあるのか分かりません。
他の手法でも同じことが言え、バックテストのデータがそもそも無いのです。
また、バックテストデータがあったとしても、古すぎるデータでは信頼できません。
なぜなら、かつては有効な売買ルールでも通用しなくなることがあるからです。

売買ルールには寿命があります。
複雑な売買ルールほど短命な傾向にあります。
さらに問題はあり、過剰最適化と言われるような現象もあります。
※過剰最適化とは、売買ルールを価格データにこじつけ過ぎていること。
リアルトレードでは、まったく使いものにならないことが多い。
このように、他の投資手法を勉強して、成功させるのは困難です。

多くの場合、リスク、リターンも把握できず、「儲かるだろう・・・」という希望的観測のもとに取引しているに過ぎないからね・・・
※成功させたいなら、手法の勉強だけでなく自分自身でバックテストする必要がります。
インデックス投資であれば、上記の心配はありません。
理由として、
①インデックス投資に対する豊富なデータがある。
→インデックス投資にというより、指数に対する豊富なデータがあると言える。
インデックス投資は指数に対する投資であり、若干の誤差はあるもののデータ自体は参考になる。
②バックテストを自分でする必要がない。
→①のことより、バックテストするまでもなく豊富なデータ、研究資料が見れる。
③明確なリターン、リスクが示されている。
→あくまでも過去のデータだが、参考にできる。
④投資手法の再現性の高さ。
→シンプルな売買ルールにより、再現性は高い。
⑤投資タイミングを失敗してもさほど問題ない。
→他の売買ルールであればこのことは致命的だが、超長期スパンのインデックス投資であればもはや誤差。
※下記の本には、様々な積み立て投資購入パターンのバックテスト結果が載っており、買い方の参考になります。おすすめです。
まとめ
「インデックス投資は儲からない手法なのか?【現実を受け入れよう】」のまとめです。
・長期スパンで見ると数千万円以上の資産形成が可能。
・インデックス投資は他の投資に比べると、リターンは低め。
・実現の可能性まで考慮すると、インデックス投資はもっとも現実的に儲かる投資手法。
以上のように、インデックス投資は長期スパンでみると、もっとも現実的な投資手法です。