インデックス投資で配当を受け取ることはできるの?
インデックス投資で配当を受け取るのに注意することはある?
この記事では、上記のような疑問にお答えします。
本記事のポイント
・ETFの配当利回りはどの程度か?
・配当利回りが高めの高配当ETFもおすすめ
・インデックス投資で配当を受け取る注意点
この記事では、インデックス投資で配当も欲しいと思っている人に向けて、受け取るための方法、注意点を解説しています。
※投資信託の場合、正確には配当金でなく「分配金」と言います。
当記事で解説している内容は配当、分配金の違いを意識する必要はないので、「配当金」で解説させていただきます。
はじめまして!マンモスです。
投資歴15年、インデックス投資は現在8年間継続中です。
2021年4月に資産3000万円を達成しました。
そんな私が、「インデックス投資で配当を受け取るために必要なことは?注意点も解説」を解説します。
インデックス投資で配当を受け取るために必要なことは?
インデックス投資はインデックス型の投資信託、ETFに投資することです。
通常、投資信託は配当金を受け取ることができますが、インデックス型の投資信託については注意が必要です。
インデックス型の投資信託は配当がないものが多い
配当金を受け取りたい場合、インデックス型の投資信託はおすすめできません。
というのも、インデックス型の投資信託はそもそも配当金がでないものが多いからです。
例えば、インデックス投資家に人気のある投資信託として、
・楽天VT
などがありますが、いずれも配当金の支払いはありません。
この中で、楽天VT、楽天VTIなどはバンガード社のETF「VT」、「VTI」に投資している投資信託です。
ETFの「VT」、「VTI」は配当がありますが、楽天VT、楽天VTIは配当がありません。
これは、投資信託内部で配当の再投資を行っているためです。
配当を受け取るためにはETFを選ぶ必要がある
インデックス型の投資信託ではそもそも配当金がないものが多いため、配当金を貰うためにはETFを選ぶ必要があります。
ETFであれば、株と同様に配当金を貰うことができます。
上記の理由より、「インデックス投資をしたいけど、配当金もほしい」という場合はETFを買うようにしましょう。
ETFの配当利回りはどの程度か?
インデックス投資家に人気があるETFの配当利回りについて解説します。
VTの配当利回り推移
VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)はバンガード社の47ヶ国、8,000銘柄以上の株式に分散投資できるETFです。
世界全体に投資できるETFかつ配当利回りは2%以上あり、配当も2010年を基準に増加傾向にあります。
※2010年~2020年に間に、
配当→1.67倍
株価→1.94倍
となっています。
年 | 配当(ドル) | 年末終値(ドル) | 配当利回り |
2010 | 0.918 | 47.8 | 1.92% |
2011 | 1.018 | 43.18 | 2.36% |
2012 | 1.139 | 48.03 | 2.37% |
2013 | 1.222 | 59.4 | 2.06% |
2014 | 1.464 | 60.12 | 2.44% |
2015 | 1.414 | 57.62 | 2.45% |
2016 | 1.456 | 61 | 2.39% |
2017 | 1.565 | 74.26 | 2.11% |
2018 | 1.659 | 65.46 | 2.53% |
2019 | 1.878 | 80.99 | 2.32% |
2020 | 1.536 | 92.58 | 1.66% |
VTIの配当利回り推移
VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)はバンガード社の米国株式市場全体の3,600銘柄(小型株含む)に分散投資できるETFです。
米国丸ごとに投資できるETFかつ配当利回りは1%台後半であり、配当、株価ともに2010年を基準に2倍以上になっています。
※2010年~2020年に間に、
配当→2.41倍
株価→2.99倍
となっています。
年 | 配当(ドル) | 年末終値 | 配当利回り |
2010 | 1.148 | 64.93 | 1.77% |
2011 | 1.233 | 64.3 | 1.92% |
2012 | 1.563 | 73.28 | 2.13% |
2013 | 1.673 | 95.92 | 1.74% |
2014 | 1.869 | 106 | 1.76% |
2015 | 2.067 | 104.3 | 1.98% |
2016 | 2.215 | 115.32 | 1.92% |
2017 | 2.343 | 137.25 | 1.71% |
2018 | 2.604 | 127.63 | 2.04% |
2019 | 2.905 | 163.62 | 1.78% |
2020 | 2.77 | 194.64 | 1.42% |
VOOの配当利回り推移
VOO(バンガード・S&P500 ETF)はバンガード社のS&P500指数へ連動するETFです。
S&P500は最強の株価指数と言われることもあり、そのETFであるVOOの配当利回りは1.5%~2%程度となっています。
※2014年~2020年に間に、
配当→1.52倍
株価→1.82倍
となっています。
年 | 配当(ドル) | 年末終値(ドル) | 配当利回り |
2014 | 3.49 | 188.4 | 1.85% |
2015 | 3.931 | 186.93 | 2.10% |
2016 | 4.138 | 205.31 | 2.02% |
2017 | 4.368 | 245.29 | 1.78% |
2018 | 4.737 | 229.81 | 2.06% |
2019 | 5.571 | 295.8 | 1.88% |
2020 | 5.303 | 343.69 | 1.54% |
高配当ETFの利回りについて
これまで挙げた3つのETFの配当利回りはおよそ1.4%~2.5%程度でした。
もっと高い配当利回りのETFってないの?
高配当ETFというものがあります。
通常のETF以上の配当利回りを求めるのであれば、高配当ETFがおすすめです。
人気がある高配当ETFとして、
VYM、HDV、SPYDなどがあります。
※配当利回りは2.50%~5%程度となります。
・VYM→FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックスへの連動を目指したETF。
・HDV→モーニングスター配当フォーカス指数への連動を目指したETF。
・SPYD→S&P500高配当指数への連動を目指したETF。
インデックス投資で配当を受け取る注意点
インデックス投資で配当を受け取る注意点は3つあります。
②資産を増やしたければ配当再投資は必須
③税金も考慮すること
注意点① 高配当でもトータルリターンが高いわけではない
配当が高いということは、トータルリターンも高くなるように思えます。
しかし、実際にはそうなりません。
下記の図をご覧下さい。
下図はVOOとSPYDのパフォーマンス比較になります。
青→VOO(S&P500に連動するETF)
赤→SPYD(S&P500高配当指数に連動するETF)
※SPYDはS&P500の高配当利回り上位80銘柄への連動を目指す。
図のように、VOOのトータルリターンのほうが高くなっています。
ちなみに、これのパフォーマンスは配当再投資をしたうえでの結果です。
なぜこのような結果になるかというと、高配当銘柄はすでに成熟した企業であることが多く、成長(株価上昇)が限定的になるからです。
しかし、トータルリターンという意味では、純粋なインデックス投資に負けるものの、やはり配当が高いという部分は魅力的です。
配当による不労所得の増加は生活の安定感が増すことや、投資のモチベーション維持に繋がります。
資産を増やすことに特化するのであれば高配当ETFはおすすめしませんが、ポートフォリオの一部に組み込むことで、安定したキャッシュフローを生み出すという投資戦略はおすすめです。
高配当ETFをどの程度ポートフォリオに組みこむかは、投資の目的や好みで決めましょう。
私自身もメインの資産はETFのVTですが、上述したSPYD、VYM、HDVも保有しています。
注意点② 資産を増やしたければ配当再投資は必須
資産を効率よく増やしたいのであれば、配当の再投資は必須です。
再投資することで、複利効果も高まります。
もし、配当によるキャッシュフローの増加にこだわらないのであれば、受け取った配当金は再投資するようこころがけましょう。
注意点③ 税金も考慮すること
配当を受け取るうえで注意したいのが税金の存在です。
日本の税金 → 20.315%
米国の税金 → 約28.3%
※米国株の税金は、米国で配当に10%課税されたあと、その残りにさらに日本の税金20.315%が課税されます。
上記のことから、最終的な受け取り額は配当利回りどおりの金額が貰えるわけでなく、上記の税金を控除した金額になります。
まとめ
「インデックス投資で配当を受け取るために必要なことは?注意点も解説」のまとめです。
・ETFの配当利回りは1.4%~2.5%程度。
・高配当ETFなら2.5%~5%程度。
・高配当ETFはトータルリターンの面では純粋な指数連動型に劣る。
・資産を効率よく増やすには、配当の再投資をする。
・税金が引かれることにも注意